エストロゲンの理解不足は妊娠から遠ざかる
エストロゲン(E2)といえば女性ホルモンの一つであることは大多数の女性はご存知かと思います。
エストロゲンは女性をつくるホルモンと言っても過言ではなく、第二次性徴の発現、子宮内膜の増殖、月経周期の成立と連携、乳腺管の増殖分泌促進という大切な役割をしています。
コレステロールを原料とするステロイドホルモンに分類され、卵巣をはじめ、脂肪組織、精巣、副腎からも生成されます。
よって男性にも存在します。
もちろんエストロゲンは男女ともに必要なホルモンですが、現代社会では、本来あるべきプロゲステロン(黄体ホルモン)やテストステロン(男性ホルモンの一種)との比率から逸脱し、エストロゲンが過剰に体内に存在するようになってしまったのです。
これを「エストロゲン・ドミナンス」と言います。
子宮筋腫、子宮がん、子宮頚部異形成、乳がん、前立腺がん、不安、気分の動揺、イライラ感、不眠、頭痛、疲労、むくみ、性欲の減退、甲状腺機能障害、生理不順・PMS、不妊、乳房の圧痛、多嚢胞性卵胞、喘息、蕁麻疹、湿疹、鼻づまり といったアレルギー症状、加齢亢進、特に腰まわりと太ももの脂肪の蓄積、胆嚢の病気、血栓の増加、低血糖、銅の過剰と亜鉛の欠乏、マグネシウム欠乏、ビタミンB群の欠乏、閉経前の骨密度低下、骨粗鬆症、自己免疫疾患、無精子症などなど。。。
それはそれは多くの病気の原因の一つとなっています。
ここまででもエストロゲンの過剰は怖いと言っている意味がお分かりいただけたと思います。
さて、どうして過剰になるのでしょうか?
それは内分泌攪乱物質、つまり環境ホルモンによる影響が強いことがあげられます。
環境ホルモンとは一体何で、どのように私たちの身体にどのように入ってくるのでしょうか?
代表的なものとして、プラスチックの一つであるポリカーボネートがあげられます。
ポリカーボネートはビスフェノールAと塩化カルボニルを材料として作られますが、ビスフェノールAは強いエストロゲン様作用(エストロゲンに似た働き)があることわかっています。
このポリカーボネートは学校給食の食器や哺乳瓶にまで使われています。
95度の熱湯をポリカーボネート製の哺乳瓶に入れたところ、ビスフェノールAが検出されたという報告もあります。
さらに最悪の環境ホルモンであるダイオキシンにもエストロゲン作用があります。
青酸カリの1000倍もの毒性をもつ恐ろしい物質です。
とても身近にある塩化ビニール、塩化ビニリデンを燃やすと生成され、いったん体内に入ると排出することが難しい物質です。
私たちの身の回りには、ペットボトルや発泡スチロール、カップ麺の容器などプラスチック製品がたくさんあります。
これらにも同様にエストロゲン作用がある可能性が高いといわれています。
その他、殺虫剤や工業廃棄物、自動車の排気ガス、石けんやシャンプー、ネイルポリッシュ、家具や建材の塗料にも含まれ、すべて同様にエストロゲン作用があることがわかっています。
実は食事からも入ってきます。
女性ホルモンを投与されている肉類、養殖の魚、そして大豆、砂糖、炭水化物などもエストロゲンの過剰を引き起こします。
見直しが必要ですね。
私たちの周りを良く見渡してください。
本当にたくさんの内分泌かく乱物質、環境ホルモンが存在し、外来性のエストロゲンであふれかえっています。
妊活においては、何よりも自分のエストロゲンが一番です。
そう、自分のエストロゲンが一番なんです。
ポリカーボネートのエストロゲンではダメ。
ダイオキシンのエストロゲンでもダメ。
大豆のエストロゲンでもダメ。
自分のエストロゲンが一番なんです。
そこで、卵巣機能を高めるのはもちろんのこと、エストロゲンの原料である良質な脂質の摂取、肝機能を高め、コレステロール合成促進、そしてホルモンやコレステロールを運搬するための血流を良くすることが、自分のエストロゲン合成・分泌に不可欠であることを理解しておかなくてはなりません。
食事はご自身で注意して内臓機能を高め、血流改善は私たちの針灸マッサージでお手伝いします。